Megadeth – “Rust in Peace” (1990)

名盤S

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●作品情報:
形態:4th フルアルバム
レーベル:Capitol Records
ジャンル:スラッシュメタル
トラックリスト
1.”Holy Wars… The Punishment Due”
2.”Hangar 18″
3.”Take No Prisoners”
4.”Five Magics”
5.”Poison Was the Cure”
6.”Lucretia”
7.”Tornado of Souls”
8.”Dawn Patrol”
9.”Rust in Peace… Polaris”

●個人的お気に入り度:
神盤/名盤S/名盤/良盤S/良盤/並盤/並盤以下


スラッシュメタルの金字塔。

さていよいよ4thです。
やはりこれなんですよ、Megadethは。
Megadethと言ったら4thと全僕の中で相場が決まってるんです。


2ndや3rdも充分傑作なんだけど、この4thはちょっとレベルが違う。
2ndから3rdにかけては進歩が見られたものの、言わば階段を一歩ずつ昇るようなものでした。
しかし3rdから今作へは、
一体何段飛ばしなんだってくらいとんでもない進化を見せています。正に大化け。
3rdまでの彼らは申し分ない名曲はあれど、
アルバムとしての決定打に欠ける印象が拭えませんでした。
しかし今作ではその欠点は見事に解消、どころか最高峰のクオリティへと昇華されています。


今作の主役はやはり、ギター。
何が凄いって、
テクニカルさとキャッチーさがとんでもなく高いレベルで両立している所なんですよ。

あくまでも素人の意見ですが、本来テクニカルさとキャッチーさは両立し難いものだと思います。
キャッチ―さを重視すればどうしても単純なものになりがちだし、
反対にテクニカルさを重視し過ぎると「何をやってるかよくわからん」となってしまう。

しかし彼らは違います。
テクデス界隈などを見渡せば、
彼ら以上にテクニカルな演奏をするバンドはいるでしょう。(Brain Drillとか)
だけどMegadethが凄いのは、
そこに他の追随を許さない程のキャッチ―さが備わっていること。

#3″Take No Prisoners”#5″Poison Was the Cure”では特に顕著ですが、
恐ろしく複雑なリフなはずなのにすぐにメロディを覚えられてしまう。
こういうのを天才と言うんだなと。いやほんとに。
「テクニカルかつキャッチー」をここまで高い次元で実現させた作品は他にありません。



またギター以外のあらゆる面も、前作から遥かにレベルが上がっています。
各演奏陣のキレ、曲構成、各曲の個性付け、等々。
パラメーターで言えばすべての値が最高値になっているようなもの。
そんな中でDave Mustaineの癖強スネ夫ボーカルは激ウマとは言えないものの、
ひねくれた知能犯的な楽曲の印象を高めるのに一役も二役も買っていると思います。


そしてやはり無視できないのは、Marty Friedmanのギター
彼の貢献はとてつもなく大きい。
テレビで見かける面白外国人、
と言っても最近は知らない人も多いのかもしれませんが、実は無茶苦茶凄い人なんです。
というかもう神です。

日本の演歌に影響を受けたと言う、拳を効かせたギターソロは彼にしか弾けない。
海外の超有名作に日本の文化の影響があるというのは、日本人としてはどこか嬉しいですよね。

曲ごとの感想。あれ?名曲しかないじゃん…

1.”Holy Wars… The Punishment Due”の時点でもうほぼ勝負は決まったようなもの。
恐ろしくキャッチ―なリフ、見事な曲構成、最高のギターソロ。
いや凄すぎるだろう。笑うしかない。

そしてダメ押しとばかりの#2″Hangar 18″
#1でもう大傑作の予感は十分にしましたが、ここでその予感が確信に変わります。
「後半は全部ギターソロ」って説明だけ聞いたら「は?」って感じだけど、
そんな離れ業を見事に決めてしまうんだから恐ろしい。
どうやったらこんな曲思い付くの??もう頭抱えちまうね凄すぎて。


#3″Take No Prisoners”では更に複雑なリフが飛び出すものの、
キャッチ―さは無論失われていません。分かりやすい掛け声もあっていい。
#4″Five Magics”は#1以上に入り組んだプログレッシブな曲。
#1もそうなんだけど、
ただ風呂敷を広げていくのではなくちゃんと最初のパートに着地するところが見事。
しかも自然に。Nick Menzaのドラムも素晴らしい。

#5″Poison Was the Cure”は今作でも屈指のテクニカルなリフが爆発。
これ聴く度に衝撃なんだよね。
何でこんな馬鹿みたいに複雑なリフなのに阿呆みたいにキャッチ―なの?
有り得んでしょこれは。

#6″Lucretia”はミドルテンポでメロディをじっくり聴かせる曲。
ギターソロが素晴らしいのなんのって。もう降参。
まあどの曲もそうなんだけど。

そして名曲揃いの今作でも一際輝いている#7″Tornado of Souls”
すべてが完璧、次元の違う完成度。こういうのを「神曲」と言うんですよ。
こんな神曲をアルバムの終盤に持って来れるというのが何より、今作の異常なまでの質の高さを証明してるよね。
Martyの歴史的なギターソロは正に神懸り。この質感は絶対に彼にしか出せない。

#8″Dawn Patrol”でちょっとばかりの間奏を挟み、
#9″Rust in Peace… Polaris”でフィナーレへ。
グルーヴを重視した曲です。最後まで一切勢いを殺さず、濃密な40分間に幕を下ろします。

まとめ。

一にギター、二にギター、三にギター。
とにかくギターが凄い!!!
黄金の名リフと名ソロを連発する、世紀の名盤です。

錆び付くどころか何十年経とうとその輝きを放ち続ける、
スラッシュメタルの頂点に君臨する傑作。
久しぶりにちゃんと聴いたけど、やっぱりいつ聴いても最高です。



・お薦めの曲
6.”Tornado of Souls”
#1にしようかなとも思ったけど、やっぱりこっち。
てか誇張なしで全曲名曲なのでどれでも良かったんですが。
やっぱりMartyのこのソロですよね。
和の趣のある旋律を取り入れてしまうなんて、粋過ぎません? はぁ…(昇天)


追記:
Megadethは今回で終わりで、次回からはAnthraxに移ります。
5th以降のMegadethも悪くは無いんですが、取り上げる程ではないかなと思ったので。
曲単位で見ればお気に入りのものもいくつかあるんですが。
“Die Dead Enough”(10th), “Washington Is Next!”(11th), “This Day We Fight!”(12th)
, とかはよく聴きます。

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