Imperial Circus Dead Decadence – 「殯――死へ耽る想いは戮辱すら喰らい、彼方の生を愛する為に命を讃える――。」(2022)

名盤

画像引用元:https://imgs.ototoy.jp/imgs/jacket/1241/45776170.1652927933.8287orig.jpg

●作品情報:
形態:3rd フルアルバム
レーベル:Radtone Music
ジャンル:メロデス/シンフォニックデス
トラックリスト
1.禊祓の神産は宣い、禍祓の贖罪は誓う。
2.夜葉:罪と罰の螺旋――。
3.腐蝕ルサンチマン、不死欲の猿楽座。
4.獄
5.百鬼夜行-Pandemonic Night Parade-
6.嚮導BRING+瞳EYES=死DEATH+齎INVITE
7.神罰を辿り狂骨に至る
8.黒キ桜ハ愛∴其ノ死ヲ乞ウ
9.分裂した道化と≒発狂の修道女
10.黄泉より聴こゆ、皇国の燈と焔の少女。-殯-
11.悲痛なる跫音は哀しき邂逅 mode:α
12.悲痛なる跫音は哀しき邂逅 mode:Ω
13.天聲

●個人的お気に入り度:
神盤/名盤S/名盤/良盤S/良盤/並盤/並盤以下


日本発の珠玉の作品が、世界のリスナーの心を掴む。

日本の同人バンドImperial Circus Dead Decadence(以下ICDD)による、
11年ぶりとなる3rdフルアルバム。


いやぁまさか、
去年一番良かったと思うメタルのアルバムが、日本のバンドの作品になるとは。


最早今さら殊更に書かなくても充分有名だと思います。
去年の色んな方の年間ベストで見かけなかったことが無い、と言っていいくらい。
しかも、国内外を問わず。
日本発のバンドが世界のマニアの間でこれ程受けるのも、久々ではないでしょうか。

そしてその高い評判に違わず、
今作は大変優れた文句なしの傑作だと思います。
もう「素晴らしい!!!」の一言で記事を終えても良いんですが、
一応サウンドの特徴などに触れていきたいと思います。


まず、上では分かりやすくジャンルを「メロデス/シンフォニックデス」としましたが、
そのジャンル分けがぴたりと当てはまるかというと、そうでもない。
以前からICDDを愛聴している人なら周知の事実なのでしょうが、
彼らのサウンドは色んなエクストリーム系の音楽の要素を混ぜ合わせたものになっています。

特に目立つ要素から挙げていくなら、
まず演奏陣は、メロデスとメタルコアの中間のようなサウンドを軸としています。
端的に言えば、The Black Dahlia Murderのようなサウンドですかね。

ボーカルはDir En Greyの京のように
多種多様なグロウルやスクリームとV系のクリーンVoを巧みに使い分ける。
そしてコーラスやソロではギターもボーカルも共に濃厚なメロディを奏で、
そこに更にシンフォニーが加わり、一層の大仰さを演出します。


更にもっと細かい要素に目を向けるなら、
時折デスコア的な演奏も顔を見せる上、
メロディもV系特有の濃厚で粘り気のあるものアニソン的なもの、また和の雰囲気が漂うもの
果てはネオクラシカル的な旋律から北欧メロデス的なものまで、と分解していけばキリがありません。

そしてこうして分解していけば、
個々の要素それ自体には「彼らにしかない個性」は特段見出せないことが分かると思います。
しかしながら、
それら多様な要素を非常に上手く融合させた結果、
支離滅裂になるどころか「彼らにしか創り出せない世界観」を見事に確立しています。


また演奏陣は一級品のクオリティだし、そしてそれに埋もれないボーカルも驚異の一言。
そして何より、メロディのセンスがもう冴えまくっているんですよ。
13曲・1時間12分と長尺ながら捨て曲は1つもなく、勢いが削がれることも無い。
以前友人から勧められて2ndの曲を聴いたことがあったのですが、
その時から何もかもがレベルアップしています。

聴くところによると6年間掛けて今作を完成させたとのことですが、
それも大いに納得の素晴らしいクオリティです。
日本的な要素がふんだんに盛り込まれたサウンドでここまで勝負できるというのは、
何だか同じ日本人として嬉しい思いがしますね。

まとめ。

いやこれは本当に良かった。もうお見事としか言いようがない。
これ程豪勢かつ絢爛なメロディと世界観に満ちた作品は、
メロデス界隈や他のジャンルを見渡してみてもそうそう無いでしょう。

もしまだ聴いてないなんて人がいたらもうぜひ!!
大いにお薦めします!!



・お薦めの曲
#1.「禊祓の神産は宣い、禍祓の贖罪は誓う。」
最初にこの曲を聴いた時の興奮と言ったらもう…。
オープナーにして作中屈指のキラーチューンでしょう。
ちなみにこれ以外に特に気に入った曲は、#2,#3,#4,#5,#7,#8,#9,#10。
ってほぼ全部ですね笑 いやでもほんとに、どの曲も素晴らしい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました