Full of Hell & Primitive Man – “Suffocating Hallucination” (2023)

良盤S

画像引用元:https://primitivemandoom.bandcamp.com/album/suffocating-hallucination?from=search&search_item_id=3806653725&search_item_type=a&search_match_part=%3F&search_page_id=3006748478&search_page_no=0&search_rank=1&logged_in_menubar=true

●作品情報:
形態:コラボレーション・アルバム
レーベル:Closed Casket Activities
ジャンル:スラッジ / グラインドコア
トラックリスト
1.”Trepanation For Future Joys”
2.”Rubble Home”
3.”Bludgeon”
4.”Dwindling Will”
5.”Tunnels to God”

●個人的お気に入り度:
神盤/名盤S/名盤/良盤S/良盤/並盤/並盤以下


グラインドコア × スラッジ = ???

Full of Hell(グラインドコア)とPrimitive Man(スラッジ)によるコラボ作。


異色のコラボ、ってほどではないですね。
でもグラインドコア×スラッジって、意外にありそうであんまり無かったような?
お互い近接するジャンルだから逆に無かったのかな。
そもそもメタルにおいて違うジャンルのバンド同士の合作自体が珍しい気がしますが。

Full of Hellが元々こういうコラボ作を他にもいくつか出しているので、
恐らくFoHからの働きかけで実現したんでしょう。
他のは聴いたことないんですが、少なくともこれは素晴らしい。



サウンドはグラインドコア寄りかと思いきや、Primitive Manのスラッジサウンドを基調としています。
たとえば#1″Trepanation For Future Joys”はもうPMの独壇場。
まずこの容赦ない暗黒スラッジがもう堪らない。脳汁溢れ出ます。


しかし次の#2″Rubble Home”からが今作の醍醐味。
スラッジとグラインドコアという、同じルーツを持ちながらあまり交わることのなかった2つのジャンルが予想外の化学反応を起こしています。
この#2ではスラッジを基調としつつ、グラインドコアのブラストを爆発させているんですが、#1以上にどす黒くえげつない音に仕上がっているんです。

ただのスラッジよりも一層極悪で、ただのグラインドコアよりも一層激烈。
両者が組み合わさることで、それぞれ単独では出し得なかった音の奥行きが生まれていると思います。
また#3″Bludgeon”は25秒とグラインドコアらしい尺ですが、サウンドは同様。いやえげつない。


そして#4.”Dwindling Will”#5.”Tunnels to God”はスラッジと言うよりもうノイズを巻き散らしている感じですが、これも脳汁が放出されるのでよし。

でも何と言っても目玉は#2と#3。
この退廃的なカタルシスは中々他では味わえない。これはよく堕ちれるなぁ…
闇堕ちしたい気分になったらしばらくこれを聴くことにします。


まとめ。

じりじりと精神を蝕んでいくスラッジと、瞬発的で肉体的な暴力を振るうグラインドコア。
その2つの音が交差した結果生じた、暗黒極まりない暴力。
それが今作です。


強いて言えば、30分と短いのが勿体ない!!
この音はもっと追求出来ると思うんですが…Part 2とか無いですか?
また、こうしたジャンルの垣根を超えた音の交流は凄く面白いのでもっと色々見てみたいですね。




・お薦めの曲
2.”Rubble Home”
やっぱりこれと#3ですね。これはえっぐいよ。
ちなみにこの動画のコメント欄で”Full of Man & Primitive Hell”ってあるけど、
Full of Manはただただむさ苦しいだけでは…

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