Carcass – “Symphonies of Sickness” (1989)

名盤

画像引用元:https://f4.bcbits.com/img/a3704629452_10.jpg

●作品情報:
形態:2nd フルアルバム
レーベル:Earache Records
ジャンル:デスグラインド
トラックリスト
1.”Reek of Putrefaction”
2.”Exhume to Consume”
3.”Excoriating Abdominal Emanation”
4.”Ruptured in Purulence”
5.”Empathological Necroticism”
6.”Embryonic Necropsy and Devourment”
7.”Swarming Vulgar Mass of Infected Virulency”
8.”Cadaveric Incubator of Endoparasites”
9.”Slash Dementia”
10.”Crepitating Bowel Erosion”

●個人的お気に入り度:
神盤/名盤S/名盤/良盤S/良盤/並盤/並盤以下


4thも良いけど…

ラウパまでに上げたいと思ってたけど、
見事に間に合わなかったので今さら上げてみます。
まあ、「まったりゆったり」がコンセプトなんで。コンセプトに忠実にやっていきます。


Carcassと言えば…
“Heartwork”!ですよね、やっぱり。僕もそう思います。
あれも名盤だと思うし、いずれは記事にするつもりです。
でも今回はあえて、この2ndを語ってみたいんです。
意外と”Heartwork”は聴いたけど2ndは聴いてないって人もいるかなって思ったので。


メロディックデスメタルの先駆けとして知られる彼らは同時に、
初期の2枚でデスグラインド/ゴアグラインドの先駆けとなるサウンドを提示しました。
1stと2ndのどちらが名盤かは意見が分かれる所ですが、僕はやっぱり2ndを推したいです。


いやー何と言うか、これは本当に凄まじい。
もし当時リアルタイムで聴いていたら(今聴いてもだけど)とんでもない衝撃を受けたと思います。
デスグラインドの作品は多々あれど、これ程の作品も中々無いでしょう。

まず#1″Reek of Putrefaction”のイントロからしてもうやばい。
重苦しい演奏と不気味なシンフォニーが聞こえた、その後。


ヴァァアァァィィイイィィ●×@■※@…(汚いにも程がある奇声)


いや、キモ過ぎる。※褒めてます
初っ端から虫唾が走るこの音色。まともに聞いたら顔が歪みます。


そしてそれ以降、
怒涛のデスグラインドでドロドロぐちゃぐちゃと暴れ散らかしていくんですが、
これがまあ徹頭徹尾えげつない。

まずボーカル、演奏、プロダクションなど諸々すべてが見事なまでに汚らしい。
ここまで下劣なサウンドも他に類を見ないでしょう。吐き気を催すレベル。
加えてこれ程に鬼気迫る演奏も無類のものなので、
汚物をびちゃびちゃ撒き散らしながら怒涛の如く暴れ狂う様はもう、圧巻。


しかし一見無茶苦茶なようでいて、ギターと曲構成が光っているんですよね。
まずギター。リフやソロが中々にキャッチ―です。
ただキャッチ―とは言え、爽快感は欠片もありません。
ソロは本当に気味が悪いメロディだし、
リフはリフで、下品な表現で申し訳ないですが糞尿がこびりつくかのように汚らしい。

そして、楽曲の構成。
1stは22曲で40分といかにもグラインドコアなアルバムでしたが、
今作は10曲で43分。最低でも3分台の曲が並び、だいぶデスメタルに接近しています。
そして展開も、デスメタルさながらの複雑さを見せるようになっています。
驚嘆する程ではないものの、意外に秀逸な転換があったりするし、
所々で変化球的にテンポが行き来したりする。全体的に緩急の付け方が巧みだと思います。

こうしてギターや曲構成がしっかりしているお陰か、
思った以上に聞きこみ甲斐のあるアルバムです。
聴けば聴くほど味が出てくる、骨のある作品ではないでしょうか。

まとめ。

“Symphonies of Sickness”とはよく言ったものです。
まじでイカレてます。しかし癖になるんですよ、これが。
そしてこんな作品が、ギリギリとは言え80年代に出たという事実にも驚かされます。
いや凄いわ。これ以上にブチ切れてて汚らしいアルバムなんてほとんど無いのでは?

そして汚いとかえげつないとかそういう言葉を聞いて目を輝かせてしまうような、
そんな末期な人達には充分お薦めできるアルバムです。
逆にそうじゃないと、ドン引きして終わるかも。


では、今回はここまで。
ヴァァアァァィィイイィィ●×@■※@…(別れの挨拶)



・お薦めの曲
#4.”Ruptured in Purulence”
僕はこの曲が一番好きです。
有無を言わさぬこの勢いが堪らない。

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