Metallica – “Metallica” (1991)

名盤

画像引用元:https://cdn.media.amplience.net/i/metallica/the-black-album_cover

↑やっぱ黒すぎない?

●作品情報:
形態:5th フルアルバム
レーベル:Elektra Records
ジャンル:ヘヴィメタル
トラックリスト
1.”Enter Sandman”
2.”Sad but True”
3.”Holier than Thou”
4.”The Unforgiven”
5.”Wherever I May Roam”
6.”Don’t Tread on Me”
7.”Through the Never”
8.”Nothing Else Matters”
9.”Of Wolf and Man”
10.”The God That Failed”
11.”My Friend of Misery”
12.”The Struggle Within”

●個人的お気に入り度:
神盤/名盤S/名盤/良盤S/良盤/並盤/並盤以下


Metallicaの名盤と言えば。

「Metallicaの名盤は?」と訊かれたら?

僕は迷わずこのアルバムを選びます。


通称“Black Album”
全世界で3000万枚以上と、ヘヴィメタル史上最も高い売り上げを記録したこのアルバム。

大衆受けを狙った作品?
確かにそうかもしれません。
しかしだからと言って、今作を陳腐な作品だと決めつけるのは早計でしょう。

なぜなら、
今作はバンドの持ち味をこれ以上なく存分にかつ素直に発揮した作品だからです。

彼らにしか出せない至高のサウンド。

前作までのMetallicaは、速く攻撃的ながら複雑な曲展開という、
「プログレッシブさのあるスラッシュメタル」というスタイルでした。
このスタイルでは突出した名曲を生むこともあった一方、
冗長でコントロール不足に陥った曲も目立ち、
アルバムとしてはムラのある仕上がりになっていました。

しかし今作では、従来のスタイルとは真逆の方向へと舵を切ることになります。
速く、攻撃的で、プログレッシブな楽曲は、
遅く、キャッチ―で、シンプルな、そしてよりヘヴィな楽曲へと姿を変えました。

字面だけ見れば単に売れ線に走ったとしか思えないでしょう。
しかしこの方向転換は、ヘヴィメタル史上最大の成功例だと言っても過言ではありません。



まず楽曲のテンポが落ち一層シンプルになったという点。
4thまでは作曲で背伸びをしている感が否めなかったのが、
今作では実に自然なサウンドへと変貌を遂げました。

グルーヴを活かしたサウンドは凄くキャッチ―だし、何よりリフ
リフが本当に良いんですよ。
#1″Enter Sandman”のメインリフは言わずもがな、
#7″Through the Never”の2:52~のリフや、
#12″The Struggle Within”の2:56~のリフ、などなど。
挙げればキリがありませんが、要所要所で最高のリフを繰り出してくるんです。
これがもう堪らない。


そして、ヘヴィさ。
「ヘヴィ・メタル」をこれ程文字通り体現したアルバムも他に無いでしょう。
確かにサウンドはロックに近付いたとは言え、このヘヴィさは紛れもなくメタルのそれ。
とてつもない重低音を聴かせるこの音がまた素晴らしい。
ぜひスピーカーから爆音で流すことをお薦めします。近所迷惑になるくらい。



最後に演奏面。
今作では個々人の演奏が本来の持ち味を発揮できていると思います。

Kirkのソロは速くピロピロするよりも、じっくり聴かせる方が味があるし、
Jamesのボーカルも高音のシャウトより伸びやかに歌い上げる方がフィットしています。
(ギターは相変わらず。もちろん良い意味で。)
Jasonのベースはさほど目立たないながらも、決める所はしっかり決めています。

そしてしばしば下手だと批判されるLarsのドラムも、今作にはなくてはならない存在。
確かに技術的には彼よりも上手いドラマーは多くいるでしょうが、
彼のドラミングは非常にキャッチ―なんです。
キャッチ―さを重視した今作には彼のドラムは必要不可欠だったと思います。



これらの要素が組み合わさった結果、
非常にシンプルなのに何回聴いても飽きない、どころか聴く度に味わいの深まる傑作となりました。

複雑だからと言って曲に深味が出るとは限りません。
反対に、シンプルだからと言って味わい深さを出せない訳でも決してありません。
むしろこれだけシンプルなのになぜこれほど癖になり、かつ何回も聴くに耐え得るのか不思議なくらいです。

どんなサウンドかを簡潔に表そうとしたら「ヘヴィメタル」としか答えようがありません。
それ程シンプルなんだけれど、間違いなく彼らにしか出せないサウンドです。
表面的には真似できても、完全にコピーすることは不可能でしょう。
この4人じゃなければ絶対に出せない音なんです。
もう…あとは…聴けっっ!!!(投げやり)

まとめ。

今作こそMetallicaの「歴史的名盤」でしょう。
名曲だらけで本当に隙の無いアルバムです。



そしてバンドの自然な姿が発揮されているという点で、
自らのバンド名をアルバム名に冠したことには大いに納得させられます。
「これがMetallicaだ」という、紆余曲折を経てのアイデンティティの表明。
無茶苦茶熱いじゃないですか。最高です。



・お薦めの曲
1.”Enter Sandman”
やっぱりこれですかね。
この曲を初めて聴いたのは中学生で、
夢中になった僕はその勢いで全くメタルを知らない同級生にこの曲を薦めてみたんです。
そしたら見事にハマってましたね。「かっけえ!!」って。
結局彼はそれ以上メタルにハマることは無かったものの、
全く門外漢の人でも一瞬で虜にするだけの魅力があるんだなあと、今改めて思います。

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